「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」(以下「ちいさいひと」)という漫画をご存知でしょうか?私は旦那から聞いて知りましたが、漫画の一部自体は一時期まんが王国という広告でよく見ていました。「ちいさいひと」は児童虐待を扱った漫画で電子書籍で37万DL突破し、マンガ本自体も緊急大重版されたとのことです。*1旦那は単行本派なので欲しがっていましたが手に入らず、今回行った本屋でたまたま見つけて大人買いしました。今回はその感想を書きたいと思います。
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目次
あらすじ
主人公の相川健太は青葉児童相談所に配属された新米の児童福祉司。健太自身も虐待を受けて育ち、その経験を元に様々な子どもが虐待にあっているところを見抜く。そんな健太が出会う様々な虐待の現実を描く。全6巻完結で内容としては以下のようなお話です。
- 第1巻では6歳と2歳の子どもが育児放棄されたお話
- 第2巻ではステップ・ファミリー(連れ子の再婚で兄弟・姉妹になる)の中で起きる身体的虐待
- 第3巻では東日本大震災の宮城県石巻市を舞台に児童相談所の様子と子育てに不安を抱える母親と子どもの様子
- 第4巻では身体的虐待を受けた子どもの一時保護時に起きた問題
- 第5巻では虐待された子どもを里親に預けるお話と虐待を受けた子どもが実親の元に戻るお話
- 第6巻では義父に性的虐待を受ける話
児童虐待とは?
児童虐待は大きく分けて4種類あります。今回漫画内のコラムを読んで初めて知りました。ニュースではよく耳にする言葉でも意外と知らないことが多いなと感じました。
以下の定義はすべて厚生労働省のHPより引用しています。*2
種類 | 内容 |
---|---|
身体的虐待 | 殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など |
性的虐待 | 子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など |
ネグレクト | 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など |
心理的虐待 | 言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV) など |
今回、厚生労働省のHPの調査件数をグラフにしたので合わせて載せます。
虐待種類別件数割合
まずは虐待種類別の件数割合です。平成24年度の調査結果では合計66,701件の虐待が起きています。相談対応件数なので、すべての虐待ではないことに留意は必要です。身体的虐待、心理的虐待が多くなっています。
虐待者別
虐待者別の件数割合です。実母が最も多く、次に実父が多くなっており、やはり母親が長い時間一緒にいるからなのでしょうか。
虐待を受けた子どもの年齢別構成
小学生が最も多いのが意外でした。ただやはり小学校入学前の年齢が1番多いのは周りへSOSができないからなのかな、と思いました。
※以下の資料の数字をまとめています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/dl/about-01.pdf
感想
読んでいて辛かったですが、読んでよかったとも思えるのも事実です。理由としては、虐待のニュースで「なんてひどい親なんだ!!」と怒ることは簡単ですが、その裏には様々な事情があり、親も葛藤していることや周りがその環境を生んでしまっている可能性があることに気づくことができたからです。そして虐待を実際に防ぐことは難しくても、虐待を受けているかもしれない子どもに手を差し伸べてあげることができるかもしれないことに気が付きました。5巻の水野光博さんのあとがきにとても感銘をうけたので引用させていただきます。
幼少期に虐待を受けた経験を持つ人が、親となり我が子を虐待してしまう確率は、一般的に3割だと言われている。(中略)誰かに褒められる、肯定されるという経験が、子どもを真っ直ぐに歩ませ、そして”負の連鎖”を断ち切る力となる。それが親ならば望ましい。ただ、教師でも、近所の大人でも、里親でも、他の誰でも構わない。当たり前だと思うことでも、些細なことでも構わない。全力で見つけてあげればいい。
核家族が増えていて、子育てを初めてする親はとても不安です。私もそうでした。でも自分の親や旦那など多くのいい人の環境に恵まれているから今まで自分の子どもを虐待せずにこれただけなんだなということを実感しました。一歩間違えれば私も子どもを虐待していたかもしれません。もしかしたらこの先何があるかわからないので、することがあるのかもしれない、本当に紙一重の世界だということがよくわかりました。虐待という悲しいことが起きないようにするためにも、自分も悩みは早く周りに言うようにしたりしようと改めて思いました。また周りの子どもにも褒めたり、ママ友にも辛い様子がないか気をつけるようにしようと思いました。親のみならず、いろいろな人に知ってほしい漫画かつ現実だと思います。すぐ読めますのでぜひ一度読んでみてください。
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