えーこのドラマ記録

趣味の海外ドラマ(たまに日本ドラマ)のネタバレと感想を綴るブログ。最近は中国ドラマにどっぷりハマっているので中国ドラマ記事が多め。

最高の子育てってなんだろう、「最高の子育てベスト55」感想

現在3歳の息子を育てつつ、今秋に第2子出産予定ですが、3歳息子だけに構っていられる期間も短くなったこともあり、今後の子育てについて考えたくなり、本を読みました。それがこちら。

id:topisyuさんの記事を読んで気になっていた本でしたが、お盆休みになったので一気に読んでみました。この本は実験・研究データに基づいて書かれているということなので、実際のエビデンスまでは追っていませんが、ある程度参考にできるかもな、というのが全体を通しての感想です。

目次

参考になったこと

本のタイトルと表紙からてっきり小学生くらいの子持ち向けの本なのかと勘違いしていましたが、どちらかというと産まれたて(妊娠中でもできることがある)からのことに重きを置いて書いてありました。本の中にも「3歳までに「言葉を浴びせる」ほどIQが上がる」といった章があるくらい、乳児期〜幼児期にかけて多くのことが書かれていました。*1

乳児期に関しては今まで読んだ本の中に書かれていて知っていたことも多かったです。特に生活習慣の章では、ネンネトレーニングに関しても書かれていました。また、トイレトレーニングに関しても記載があり、これまで読んできた本に書いてあったなーとぼんやり思い出しました。

ネンネトレーニングに関しては以前こちらの本を読んで参考になったので、この本でさらに知りたいと思った方にはおすすめです。

トイレトレーニングに関してはこちらの本が詳しく書いてあります。レビューはこちら。

語りかけ

語りかけについても、以前別の本を読んでいて知っていたことがありました。ただ、言葉が出始めて心配ないくらいに話せるようになると、安心しきっていた部分がありました。知っていたこと、というのは褒める時は子どもの才能を褒めるのではなく、プロセスを褒めるという点。様々な実験結果からも、才能を褒められた子どもより、プロセスを褒められた子どもの方が意欲を持って物事に取り組む、ということがわかっています。*2 逆に才能を褒められた子どもは問題に間違えると言い訳をして挑戦をやめたり、難しい問題ではなく、簡単な問題に取り組むようになる、という結果になっています。

しかし、プロセスを褒められた経験って実はあまりなく、どうやって褒めればよいのだろう、と悩んでいました。その褒め方について本には以下のように書いてありました。*3

プロセスの褒め方
幼児期
* いい走りだったね!
* がんばったね
* お口を閉じてくれてありがとう
* 上手に絵を描いたね!

小学生以上
* よくがんばりました!
* きみには簡単かな。もっと難しいのをやってみよう。
* その問題に対する取り組み方がいいね

才能の褒め方
幼児期
* 足が速いんだね!
* 頭がいいね
* いい子だね
* さすがお兄ちゃんだね
* 絵の才能があるね!

小学生以上
* すごく頭がいいね!
* これの才能があるね
* すごい。勉強しないでAの成績を取ったね。

上記のどちらにもあてはまらない褒め言葉「すごい!」「やったね!」などは、マインドセットに影響するデータはないが、励みにはなる。

才能の褒め方ってつい、言っちゃいがちなんですよね…特に最近もうすぐお兄ちゃんになる息子には「さすがお兄ちゃん」って言っちゃってます…本を読んでからは褒め方に気をつけるようになりました。うまくバリエーションを増やしたい…

語りかけについてはこちらにも詳しく書いてあります。0歳から月齢別に書いてあるので、この本を読んで赤ちゃんや子どもへの語りかけ、話しかけ方が気になった方は読んでみてください。(2歳までは読んだのですが、その後は言葉が出て安心して読めていません…ですが、非常に参考になる本です。)

本のレビューは以前こちらの記事に書いていますのでご参考になれば。

遊び

保育園に通っている息子は保育園でいろいろな遊びをしているようです。そのため、休みの日には外出したり、家のおもちゃで遊ぶなど、何か親が考えてやる遊びをしていません…しかし、本書によると子どもが遊びに慣れるにつれて内容を難しくすることが子どもの自制心を伸ばすために重要だ、ということです。つまり、単なるブロック遊びでも、繋げるブロックの数を増やす、使うブロックの種類に制限を設けて遊ぶとよい、ということです。

3歳は1人遊びも上手になったため、そのまま遊ばせておくことも多いのですが、やはり親の関わり方1つで変わるので、ちゃんと考えて一緒に遊ぶと必要があるなと思いました。

考える力

自分で考える力をアップさせるために、週に1度家族会議をする、というのがありました。家族の中のうまくいったことや問題点、その解決策を子どもにも考えさせることで問題解決能力に繋がる、というものです。まだ3歳の息子には早いかもと思いつつ、家事参加にも繋がるいいきっかけになるのでやってみたいことです。

しつけ

自分の感情に名前がつけられる子どもは、フラストレーションに上手に耐え、ケンカが少なくなることが研究からわかっているそうです。そのため、子どもが泣いたり怒ったりしている時に、その時の感情を言葉に表すことが大切だと本書では述べられています。息子はどちらかというと内弁慶で、保育園でも読んでいる本を友達に取られて泣くだけのことが多かったようですが、保育士さんが感情を言葉にして伝えてくれて、その後にお友達との関わり方を教えてくれているようで、最近は自分の気持ちを友達に伝えられるようになった、と保育士さんから聞きました。確かに外に出ても積極的に見知らぬ子がいるところで遊ぶことや、嫌なことは嫌と言えるようになったので、とても重要なことだなと実感しています。保育園には本当に感謝しかありません…

そして、親が注意しなければならないことだと思ったことが、叱るのではなく「教える」とうこと。例えばお友達の使っているおもちゃを子どもが取った際には、「取っちゃダメでしょ!」ではなく、「お友達が使ってるから取っちゃダメだね。貸して、って言おうね。それでもお友達が使いたかったら、他のおもちゃで遊ぼうね。」といったように望ましい行動への置き換えをしてあげる必要がある、ということです。

また、関係のない罰を与えても意味がない、ということも参考になりました。例えばお友達を叩いた罰としておやつなし、は全く関係がない罰です。ですが、デザートのスプーンを投げたらデザートを取り上げる、は因果関係がある罰である、ということ。罰はしつけとして効果がないことが様々な研究からわかっているようですが、罰を与えるなら因果関係があるものを、ということですね。

そして最後に参考になったのは、「自分から動く力を伸ばす」ために、3歳を過ぎたらチェックリストを作る、といったものです。朝のルーチンのチェックリスト(絵を描くなどして作る)を子どもと一緒に作り、朝のルーチンの間に子どもが違うことをしたらチェックリストを確認させる、といったものです。そうすると、子どもが違ったことをしても叱ることなく、チェックリストを確認させればよい、となります。これはそのうち作ってみようと思います。

感想…最高の子育てってできるの?

本書は「幸福で能力の高い子ども」、つまり「自分の思考、行動、感情に気づいてコントロールできる子ども」が育つ可能性を最大限にする考え方や実践的なヒントが書かれている本、とのことです。これはどの親も望むことですよね。ただ、本書に書かれていたことを実践するには親のトレーニングも必要だな、と思いました。

ずっと思っていたことなのですが、子どもが産まれると、なんの教育も受けてないのに父親、母親になるじゃないですか。乳児を抱えてまずはお世話に四苦八苦。そして手が離れてきたと思ってもいろいろな悩みにぶつかる。父親、母親になる訓練も受けてないから何が正しいかわからない。参考になるのは「自分が受けてきた家庭での子育て方法」。その家庭の育て方が間違っていたらそれがそのまま次世代に受け継がれる。(虐待が最たるものかと思います。)

私も自分が受けてきた家庭での子育て方法で旦那に注意されるのは、怒ること。感情的になって子どもと接してよく旦那に叱られています…親戚で集まった際も、みんな同じような怒り方を子どもとたちにしていて、これが当たり前だと思って育ったから、私が軌道修正する必要があるな、とハッとさせられました。本書に書いてあったダメな接し方もしているなぁ、と読んでいて思いました。

そういった意味で本書は子育ての最初の教科書になるのではなかろうか、と思いました。もっと詳しくある1つのことを知りたい時はこの記事でもいくつか紹介したように、その専門書がいっぱい出ているので読むことができます。本書の前書きで

科学的なデータに基づく実践的な子育てアドバイスをまとめた、読みやすくてどのページをめくっても役に立つ本があればどんなにいいだろう*4

を具現化しているな、と思いました。ただ、これを実践するには親も訓練が必要だと思います。意識して本を繰り返し読み、自分の行動を振り返る必要があるので大変だなと思いますが、間違った(というわけではないかもしれないが)子育てを自分の子どもに残さないためにも努力しないとな、と決意した次第です。

本書で1点だけ残念だったのは、主に母親向けに書かれており、最後の方には「子どもが小さいうちは仕事を減らす」ことを母親に勧めている点でした。子育てって父親もいるし、むしろ父親にもこの本の内容は理解してもらわなければいけないのでは?と思う私としては違和感ありまくりでした。著者が女性でアメリカ人なのでそういった書き方になるのかな?とも思いましたが、その点だけは非常に残念でした。しかしそれを除けば非常におすすめな本です。最高の子育てってできるのか?といった問いには、自分たちに次第だ、ということが現状の私の答えですかね。

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*1:むしろ小学生以降については記述が少ない。

*2:本書72ー73ページ

*3:本書75ページ

*4:3ページ