久しぶりに仕事関係の記事です。
Twitterでフォローしているマスクド・アナライズ氏のツイートを見て興味を持った&わが社でも「AI!IoT!機械学習!」とかよくわからず言ってる人が増えてきたので、ざっくり勉強しようと思って「誤解だらけの人工知能」を読んでみました。
ちなみに私は大学で機械学習の論文を読んでおり、機械学習についてはなんとなーく知識がある感じのレベルです。
かといって大学では論文を読んだだけで手を動かしてない実務に乏しい感じの残念な人間だったので、本当に薄ーく知識があるだけのなんちゃってであることは周りとあまり変わりがありません…
しかも高校時代は数学が大の苦手で、機械学習の数式はさっぱりな人間です。
その前提で感想を書きました!
【定期案内】
— マスクド・アナライズ@意識低い系DXコンサルタント (@maskedanl) 2018年6月15日
「社会人にとってAIの知識は必須!でも忙しくて勉強出来ないよ」
「大丈夫、このnoteを読んでごらん!」
「え、マスクドアナライズさんの紹介した本を三冊読むだけでAIが……」
という進研ゼミ漫画な展開はありませんが、オススメです。https://t.co/9onltz1bZw
誤解だらけの人工知能まとめ
ツイートしながら読んでいたので、ポイントとなるところについてはツイートを貼り付けます。
プラスして印象に残ったところを追記していきたいと思います。
#誤解だらけの人工知能 読んでる。気になったところピックアップ。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月4日
・人工知能とはディープラーニングそのもの。
・ディープラーニングは分類できる。
・人間は分類(セパレーション、グルーピング)が得意。
人間の根底に分類がある、については息子が教えてないのに性差を意識してた点で合致する。
人工知能ってなんだろう、と私も常々思っていましたが、この本を読んでわかったことが人によって定義はバラバラということ。
著者の田中氏は人工知能とはディープラーニングそのもの、と定義づけていますが、他の人の定義ではディープラーニングとは限らないというのが困り物です。
なぜかというと本にも書いてありましたが、ただのルールベースのプログラムでも「人工知能が考えて答えを出しました!」のように発言する人がいること。
IT関係の人でもぼんやりとしか人工知能をわかっていない私みたいな人がいるのに、「IT?なにそれ?」という人が人工知能かルールベースのプログラムかなんて見分けがつくわけがないのです…
ですが、現状は人工知能の定義が曖昧でしかも技術が発展すればその定義も変わっていくだろうという難しいものだということがこの本でよくわかりました。
・第一次〜第三次人工知能ブームは地続きではなく別物。人工知能はディープラーニング、の定義も今後変わるかも。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月4日
・人工知能は「知能」の再現であって、「人間」の再現ではない。
・「マシンパワー」と「完全な記憶」の2つのメリットを使って人間の能力を超えるのが人工知能開発の方針。
・シンギュラリティとは人間に勝利する人工知能の誕生の瞬間ではなく、人間に勝てる人工知能たちが出揃うイメージ。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月4日
・ディープラーニングは特徴の取り方がとても上手。
・ディープラーニングは特徴量の多い高次元データも学習可能。過学習も起こさない。
・ディープラーニングの手法は自由が利く。
・ディープラーニングのデメリットは数字や言葉などデータとして表現できないものを人間のように読み取る力が全くないこと。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月5日
・ディープラーニングは間違った点を自分で説明できない。誤学習させた場合誤った認識のもと動作してしまう。
・ディープラーニングは意味はわからないから人間の定義が必要
・無いデータに対する解析はまだ人間にしかできない。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能をビジネスに導入する上でのリスク。
1…ディープラーニングを理解した人材の不足
2…人工知能を導入しようとする組織の勉強不足
3…質の高い学習データの不足
ここは勉強というよりお偉いさん達に聞かせたい言葉。(本の109〜110ページ)
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
「ディープラーニングをちゃんと学習した人材。世界レベルで奪い合っている。はっきり言ってレアメタルより貴重です。(中略)」→
「米国なら年収2000万円クラスで採用されています。一方日本の場合、社内の給与規定がどうとかこうとかで出せて年収800万円とかですよね。(中略)社内研修もしない、人材も育てない、採用にお金をかけない、それでも人工知能はやりたい、っていうのは何かが間違っていると思いませんか。」
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
思う!!
これだけで日本が競争で負けそうなことがわかる一文。
本当に会社のお偉いさんに読ませたいです…
これ読んでわかってくれる人いないかなぁ…
ただ、田中氏は人工知能とブロックチェーン技術が今後結びついて活用されていくだろう、と予測しており、ブロックチェーン技術については日本は世界の先頭の方にいるとのことでしたので、そこだけ希望が持てました。
※ブロックチェーン技術はいろいろお騒がせの仮想通貨の件で盛り上がってますが…
「何も分かってない人のために、「あなた分かっていませんよ」と説明する時間を、なぜ割かないといけないのか疑問が湧いてくる。」(P112)
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
ご苦労が偲ばれます…ITやっててもこれ感じること多いので、なおのこと大変だよね。
・3大メガバンクの人工知能置き換えリストラの件は、マイナス金利政策の長期化で利ざやが縮小して、融資業務で稼げなくなった言い訳を人工知能でしてるだけ。3万人もの仕事を奪える人工知能なら、世界で売ればいい。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・忖度の集合体のような事務作業を人工知能に置き換えるのは難しい。
・人工知能を作るエンジニアの倫理やモラル、法認識は今後問われるようになるだろう。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能はあらゆるサービスに導入可能で、かつ現行法で対応できない場合がある。
・この先10年は命に関わる分野よりはるかに安全で誤認識が起きても人間がフォローできる分野での人工知能の開発と浸透が進む。
・説明責任を果たせない分野に、ディープラーニングは浸透しないだろう。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・自分の行動に対して人間は言い訳できる理由が欲しい。だから、命に関わる重要な分野以外では人工知能の導入を隠すかもしれない。なぜならディープラーニングは理由を説明できないから。
この間タイムリーに説明できる人工知能として電通国際情報サービスが販売権を取得したとニュースになっていました。
どの程度のものなのかわかりませんが、着々と技術が進歩しているのがわかります。
※ただ日本が開発したのではなく、販売権を取得しただけなのがこの本の予想通りでした。
・今のままディープラーニング開発の競争に負け続けていると、その先に待ち構えるのは日本という存在が無い人工知能の世界。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能にデータは不可欠。データが国外に流出してしまうとますます人工知能が作れなくなる。負ければ負けるほど、勝つことが難しくなる。
・これから先ブロックチェーンが人工知能のデータベースになるだろう。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能に自我が芽生えるかどうかは、心があることを証明できないから周囲が決めること。人間のような振る舞いをすれば自我が芽生えたとするならば、そういう時が来るかもしれない。
・社会に少しずつ人工知能が浸透していく。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能に仕事を奪われていっても、個人事業主が大勢いた昔に戻るだけで、なにも恐れなくていい。
・ただし、これからは個人で生きる能力が必要になる。
・21世紀は1人1人が自分の持っている価値を担保に誰もが資本家になれる時代。
・21世紀の仕事を大分類すると、人工知能を作る仕事と、自分自身を売り込む仕事の2つに収斂されるのではないか。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・人工知能が仕事を奪うのではなく、人工知能によって労働から解放されるという発想を強調したい。
「日本の過労死を見てると、死ぬまで働くのは古代の奴隷制となにが違うのですか?」(P214)
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
確かにそうだわ…われわれは奴隷だよね。その奴隷に人工知能がなってくれるならありがたいわ。
・ベーシックインカムで経済をまわすことを考え始めないと、その間に人工知能に仕事を奪われて、生きていくのに嫌気が指して自傷行為に陥る人間がどれだけ出るか日本政府はもっと真剣に考えた方がいい。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
…考えないだろうなぁ…(遠い目)
・人間と機械は対決するものではない。機械がなければ人間は経済成長できない。
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
・知能が高ければ幸せなのか?それは「いい大学に入っていい会社に勤める」神話と同じ。
・「信用」が人工知能の時代を生き抜く上で個人にも企業にも重要。
感想
この本、とても読みやすかったです。
本にも書いてありましたが、人工知能の本は「わかりやすいが技術的に説明が乏しい」か「技術的に説明が詳しいがわかりにくい」2パターンが多いのだそうです。
ですがこの本は読書のスピードが遅い私でも3時間ほどでサクッと読み終えることができました。
そして平易な言葉で書いてあるので、IT系の人なら難なく理解できるレベルではないかと思います。(あくまで個人の感想です。)
#誤解だらけの人工知能 読了。いやーおもしろかったし、勉強になった。そしてとても読みやすかった!
— えーこ🌗 (@pm_poupe) 2018年7月7日
最後の章は必読。私も久しぶりにプログラミングしよう!(…今の家のPCが単なるネットブックだから環境からだな。)
Twitterにも書きましたが、今後人工知能がますます仕事や生活に必要不可欠になるにあたり、どういったものか肌感覚で理解することは、1IT技術者として必要だなと改めて思えた本です。
ですのでこの本を読み終えてすぐに、うだうだ悩んでいたPCの買い替えを行いました。
そしてPythonでプログラミングできる環境を入れて、少しずつはてブの「あとで読む」タグをつけていたAI・機械学習記事を読み始めながら手を動かすことを始めました。
私はおそらく「自分を売り込む仕事」ができないと思うので、少しでも人工知能などIT技術者として仕事をしていきたいなと思います。
それには高校でやってこなかった数ⅢC、統計学の知識が全く無いので勉強をしないといけないのですが…
2人目を産んで、自分が産む子どもはこれで最後かなと思っているので、自分の将来を見据えて勉強を始めようと思います。
モチベーションの維持が1番難しいですが、頑張らないとーと思う次第です。
勉強を続けてそのことをブログにできたら1番いいな…(ただ挫折したことがあるので*1今度は失敗しないようにしないと…)
仕事・育児をしながらモチベーションを保ちつつ新しい勉強するの難しい!!
あ、最後は1人語りになりましたが、この本はわかりやすいので人工知能が気になる方はぜひ読んで見てください。
*1:もう1つプロジェクト管理の勉強をするためのブログを作ったのに途中までやって結局やめたことがある…今はそのブログを別で活用しようと思案中。それも今途中になっててだめだめなダラです。